復興を見守るモアイ日本到着 東京→大阪→5月、南三陸に

 東日本大震災からの復興と友好のシンボルとして南米チリ・イースター島で造られ、宮城県南三陸町に寄贈されるモアイ像が日本国内に到着し、20日、東京・丸の内の丸ビルで除幕式が行われた。南三陸町などでつくる「モアイプロジェクト実行委員会」の主催。
 南三陸町は1960年のチリ地震津波でも被災し、チリから91年にチリ本土の石で造ったモアイ像が贈られたが、東日本大震災の津波で破損。チリがイースター島の石を使った新たなモアイ像の寄贈を申し出た。
 除幕式では、パトリシオ・トーレス駐日チリ大使が「新しいモアイ像は未来に向けた力強く、明るいメッセージだ」とあいさつ。壊れたモアイ像の頭部を保管している志津川高の生徒3人らと幕を取り払い、高さ約2.5メートル、重さ約2トンの新しいモアイ像をお披露目した。
 震災を記憶にとどめてもらうため、モアイ像は28日まで丸ビルに展示された後、大阪でも公開される。南三陸町に移送されるのは5月25日で、モアイ像に目を描いて完成させる「目入れ式」などが行われる。
 南三陸町の佐藤仁町長は「これ以上ないプレゼントをいただいた。壊滅した町の復興は緒に就いたばかりだが、新しいモアイ像が見守り、後押しをしてくれると信じている」と話した。

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