復興イチゴでワイン みやぎ亘理農協発売

 みやぎ亘理農協(亘理町)は、地元産のイチゴを使用したワイン「わたりのいちごワイン」を11月30日に発売した。亘理、山元両町でイチゴのワインは既に販売されているが、同農協が直接携わるのは初めて。東日本大震災で大きな被害があったイチゴ栽培の復興をアピールし、加工や販売まで担う農業の6次化の足掛かりにする。
 亘理、山元両町産の「とちおとめ」「もういっこ」計7トンを使い、山形県高畠町のワイナリーに1万本の醸造を委託した。イチゴ本来の甘酸っぱい味わいが特徴という。
 発売初日は亘理町内で発表会を開き、農協関係者らが試飲。岩佐国男組合長は「甘過ぎない大人の味。多くの方に喜んでもらえると思う」と上々の出来栄えを喜んだ。
 東北最大のイチゴ産地である両町は、農家380戸の9割が津波で被災した。国の復興交付金を活用した生産拠点「いちご団地」の整備などで今季は220戸が営農を再開し、生産量も震災前の8割まで回復を目指す。
 同農協は、復興を記念してイチゴを使ったワインの開発に着手。キリンの復興支援事業「キリン絆プロジェクト」や全農県本部から資金などの協力を受け、1年間以上をかけて商品化した。
 岩佐組合長は「販路の拡大が地域の元気につながる。これをきっかけに地場産品を使った新商品開発に弾みを付けたい」と期待を寄せる。
 500ミリリットルで1717円(税込み)。同農協の子会社「ライフサポートわたり」が運営する亘理町の農産物直売所「おおくまふれあいセンター」や両町内の酒販店、仙台市内の百貨店で販売している。連絡先は同社0223(34)0383。

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