東日本大震災の津波に襲われた宮城県亘理町荒浜地区の農地で栽培されたソバの花見会が4日あり、多くの見物客が白く愛らしい花の観賞を楽しんだ。
ソバの栽培は、みやぎ生協、みやぎ亘理農協などでつくる「食のみやぎ復興ネットワーク」による復興支援プロジェクトの一環。亘理、山元両町の3地区計50ヘクタールでことし8月に種をまき、今月末にも収穫する。
3地区の中で最大の20ヘクタールで栽培する荒浜地区は、9月の台風18号による豪雨で大部分が冠水して苗が枯れた。
見物客は被害を免れた約20アールの畑を散策、仲間と記念撮影した。子どもたちも興味深そうに花に顔を近づけていた。
宮城県岩沼市の主婦大久一代さん(62)は「不作は残念だが、被災した農地から新しい生命が誕生した姿を見ることができてうれしい」と話した。会場では、亘理産の粉を使った手打ちそばなども振る舞われた。
残る2地区の生育は順調という。収穫したソバは製粉し、みやぎ生協で年末に年越しそばとして販売する予定。みやぎ生協の高橋誠子・地域代表理事は「被災した生産者が元気を取り戻せるよう、農産品を買って支えていきたい」と語った。