復興事業の被災地負担、1千億円未満に抑制へ

政府は12日、東日本大震災の復興事業について、2016年度以降は被災した自治体に一部負担を求める新たな復興方針を発表した。

16~20年度の5年間を「復興・創生期間」と位置付け、復興に必要な予算の総額は6兆円程度とみて、地方負担は2%弱にあたる1000億円未満に抑える見通しだ。

政府は11~15年度の5年間を「集中復興期間」とし、復興事業に必要な26・3兆円を全額国費で負担する異例の対応をとってきた。

16年度以降は、「被災地の復興のために真に必要な事業」を復興事業として選別することで、必要な予算額を大幅に圧縮した。

復興事業は、全額国が負担するものと自治体が一部負担するものに分類。全額国負担は、〈1〉東京電力福島第一原発の事故に伴う除染や風評被害対策の事業 〈2〉高台移転事業や災害公営住宅の建設、被災者の心のケアなど緊急性が高い「基幹的事業」――などだ。原発周辺の12市町村は、16年度以降も集中復興 期間と同様、事業の種類に関係なく全額国が負担する。

一方、新規の防潮堤建設や津波被害がなかった内陸部の道路整備などは、自治体負担が必要になる。地域振興や防災の色合いが濃いと判断した。ただ、一般の 道路整備では「都道府県が2分の1か3分の1を負担する」(復興庁幹部)が、復興事業ならば数%程度の負担で済む見通しだ。

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