仙台市は2018年度普通会計決算の速報値と財政指標を公表した。東日本大震災で被災した市沿岸部に整備する「東部復興道路」の工事が完了に近づき、復興交付金が震災後初めてゼロになった。交付金の基金への積み立ても大きく減少し、歳入、歳出とも2年ぶりに前年度を下回った。
歳入は17年度と比べ73億円(1.4%)減少し、5132億円だった。復興交付金はピーク時は828億円に達したが、18年度は不交付で34億円減となった。
市税は12.0%増の2141億円。教職員の給与負担変更に伴い、個人住民税の税源が一部移譲されたため、189億円の増収となった。納税義務者や給与所得総額も伸び、個人市民税は7年連続で増加した。
地方交付税は2.6%減の264億円、市債発行額は0.7%減の485億円だった。歳入全体に占める自主財源比率は4.1ポイント改善し、58.1%となった。
一方、歳出は48億円(1.0%)減の4999億円。復興交付金の基金への積み立てが、17年度の39億円から18年度は1億円に激減した。人件費、扶助費、公債費からなる義務的経費は1.1%増の2774億円。歳出全体に占める義務的経費の割合は1.0ポイント上昇し、55.4%だった。
市債残高のうち、国が後に交付税措置する臨時財政対策債などを除く通常債の残高は2.6%減り、4934億円となった。
財政運営の硬直度を示す経常収支比率は97.4%で、前年度より1.1ポイント改善。財政健全化法で規定する実質赤字比率など4指標は全て基準を下回った。
市の権限で債権放棄ができる市債権管理条例に基づき、5900万円の債権を放棄した。内訳は長期滞納された水道料金の債権2280万円、市営住宅使用料の債権1996万円など。