「食」を中心とした旅で東北への観光客を増やし、東日本大震災の被災地の復興を後押ししようと、東北フードツーリズム開発推進協議会(事務局・京都市) が企画したモニターツアーの一行が岩手、宮城両県の沿岸部を訪れた。参加者は郷土料理を味わいながら復興の様子を見て回った。
◎サンマ料理や海鮮丼…近畿の22人に提供
協議会は、復興庁の「東北の郷土料理を資源とするフードツーリズムの開発」事業を推進する組織。民間企業やNPO法人などをメンバーに昨年7月に発足した。三陸の食を観光資源としたモデルコースの考案や、三陸地方の食材を紹介する冊子作成を手掛けた。
今回は初めての公募ツアーで、近畿地方から参加した22人が4~6日にモデルコースを回った。大船渡市では地元食材を使ったイタリア料理を堪能し、気仙沼 市でサンマ料理、南三陸町で海産物の丼などを食べた。同町さんさん商店街で、阿部忠彦組合長(53)から震災当時の町の状況や現状の説明も受けた。
ツアーに夫婦で参加した兵庫県川西市の会社員新谷周男さん(60)は「薄味好みの関西の人の舌にも合う料理ばかりを食べた。また来たい」と満足していた。
協議会は今後、ホームページでツアー参加者の声も紹介し、旅行会社の商品開発や個人旅行者の東北への誘客につなげたい意向だ。