復興支援オリジナル曲、盛岡で披露 さだまさしさん作曲

東日本大震災からの復興を支援しようと、岩手芸術祭の実行委員会がつくったオリジナル曲「ふるさとの風」が5日、盛岡市の岩手県民会館であった芸術祭オープニングで披露された。歌手のさだまさしさんが作曲し、宮城大1年の工藤玲音(れいん)さん(18)=仙台市泉区、岩手・盛岡三高出=が作詞した。高校生ら約80人がオーケストラの演奏に合わせ、高らかに歌い上げた。
 工藤さんは昨年の全国高校文芸コンクール3部門で優秀賞を受賞。盛岡三高に在学中、芸術祭実行委から作詞を依頼された。
 中学時代から俳句に親しむ工藤さんは「俳句とは求められるものが違う。どこから着想を得ればいいのか、最初は戸惑った」と言う。復興支援の重責から作詞は難航し、2月から4カ月間かけて完成させた。
 <ふるさとの山の風は 美(うるわ)しき川をすべり 私の幼き翼を 慈しみ吹くよ>
 <風よ風よ風よ ふるさとの風よ 愛しき人を 守りたまえ>
 工藤さんは「風は遠く離れた古里と自分をつないでくれる」。その思いを詞に込めた。「無理や背伸びをせず、聴く人に寄り添うような歌詞」をイメージしたという。
 さださんは「岩手に限らず古里がある全ての人々の心に訴えかけるよう一生懸命作った」とビデオメッセージを寄せた。
 「ふるさとの風」はゆったりとしたメロディーで、オーケストラとの合唱に聴衆1800人は聞き入っていた。
 岩手芸術祭は「広げよう 復興の輪と岩手の文化」をテーマに、来年1月まで県内各地で音楽、演劇、美術など多彩な催しを繰り広げる。

タイトルとURLをコピーしました