復興施策「進んでいる」3割以下・仙台市民

 仙台市が取り組む東日本大震災からの復旧・復興の施策10項目について、「進んでいる」と感じる人の割合が、一部を除き3割以下にとどまることが、市の市民意識調査で分かった。市は復興事業に関し、「おおむね着実に進んでいる」と評価。震災復興計画は2015年度が最終年度になるが、復興の現状に関する市民と市の認識の隔たりは依然として大きい。
 「進んでいる」「どちらかといえば進んでいる」の合計が3割を超えた施策は、「防災対策の見直し、防災の教育や啓発」(41.7%)、「震災の記録と記憶を後世に継承する活動、内外への情報発信」(40.0%)、「集団移転や復興公営住宅の建設」(30.6%)の3項目だった。
 残る7項目は、厳しい評価が並んだ。最低は「海岸公園の再整備などによる美しい海辺の再生」(13.6%)。「復興特区制度による企業誘致や新産業の創出・集積」(15.1%)、「エコモデルタウン実現や次世代エネルギー関連施策推進」(17.9%)と続き、4項目が2割を切った。
 一方、前年度と比較可能な9項目のうち、7項目は「進んでいる」「どちらかといえば進んでいる」の合計が1.9~11.4ポイント上昇。復興の前進を、一定程度感じていることを示した。
 市は、震災復興の重点54事業の13年度の進行状況に関し、一部で遅れが生じているものの、目標達成に向けて着実に進んでいると判定している。
 奥山恵美子市長は14日の定例記者会見で「災害公営住宅を例にすれば、市は計画通りの着工を順調と判断するのに対し、市民は8~9割の入居が済んだ時点で復興したと感じるだろう。ずれが出るのは仕方ないが、15年度はその差が小さくなるよう努力したい」と説明した。
 調査は5、6月、無作為抽出した18歳以上の男女6000人に実施。36.7%に当たる2202人から回答を得た。

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