復興需要ピーク過ぎる 東北企業動向調査

東京商工リサーチ東北支社は19日、東北6県の企業について、東日本大震災前の1年間と震災後5年間の業績動向調査結果を発表した。復興需要を背景に業績を伸ばした企業が最大の売上高や利益を計上した時期は、震災4年目や5年目が多かった。同社は「震災から5年半が過ぎ、復興需要はピークを過ぎたと判断できる」と分析している。
調査は同社が抽出した1万6250社が対象。震災前の2010年3月~11年2月に決算期を迎えた企業の売上高や利益、赤字の状況を16年2月まで調べた。
県別の売上高合計はグラフの通り。青森、宮城、秋田は震災4年目、岩手、山形、福島は震災5年目が最も多かった。業種別では卸売業、小売業、サービス業が4年目、建設業、製造業、運輸業は5年目にピークを迎えた。
同社は「岩手や福島は建設業の依存度が高く復興需要が比較的長く続いたと考えられる」と説明した。
利益の合計は震災1年目に大幅に減少したが、その後は4年連続で増加。県別では青森、岩手、秋田が震災4年目、宮城、山形、福島は5年目に最も大きくなった。売り上げの伸びのほか、震災関連の補助金・助成金、東京電力福島第1原発事故の賠償金が利益の増加につながった。
赤字企業は大幅に減少した。震災前は全体の26.9%を占めていたが、震災後は10%台で推移。震災5年目は17.4%だった。

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