帝国データバンク仙台支店がまとめた東北の5月の景気動向調査によると、企業の景況感を示す景気動向指数(DI)は前月比0.7ポイント低下の43.7で、1年1カ月ぶりに悪化した。仙台支店は「東日本大震災からの復興需要への期待感に一服感が出た。ただ指数は依然として高い水準にある」と分析している。
東北の指数は全国10地域では9カ月連続のトップだった。県別DIは表の通り。山形を除く5県で低下した。全国の都道府県別では、宮城が10カ月連続で1位となったのをはじめ、福島2位、岩手3位となった。
東北全体の業種別では全10業種のうち農・林・水産(41.7)、建設(50.1)などが悪化し、製造(40.8)、不動産(41.0)などが改善した。規模別では大企業が47.8で0.5ポイント上昇したのに対し、中小は1.0ポイント低下の42.9となり、小規模事業者ほど苦戦している様子がうかがえた。
先行き見通しは3カ月後が46.4、6カ月後が46.9、1年後が47.2といずれも改善を見込む。仙台支店は「復興需要による景気回復は当面続く」とみている。
調査は5月、東北の1291社を対象にインターネットで行った。回答率47.6%。