徳山国交次官「復興の先 見据える時期」

東日本大震災発生時の東北地方整備局長で、沿岸部へのルート確保などの陣頭指揮を執った徳山日出男氏(58)が、7月31日付で国土交通事務次官に就任した。被災地の復興支援などについて聞いた。(聞き手は東京支社・門田一徳)

◎「震災と観光」結ぶ視点を

-震災から4年半を迎える。
「震災前よりも良い街づくりを目指すなど『復興の先』を見据える時期。震災直後に衛星電話で話した知事や首長の声は今も覚えており、『戦友』のような存在だ。しっかり支援する」

-被災地では技術系土木職の人材不足や資材高騰が深刻化している。
「地域や職種によって不足感があるが、全国的にみるとピークはこの夏に過ぎると思う。秋からは余剰感が出てくるだろう」
-集中復興期間が終わる2016年度以降の復興関連道路の整備は。
「命を救ってくれた道路をつなげたいとの思いから、官民共同で復興道路や復興支援道路事業が進んでいる。政府支援が続く5年間はグランドデザインをしっかり描き整備を進めたい」

-震災復興のシンボルとして、仙台空港の民営化に対する地元の期待は高い。
「ビルの売り上げから着陸料までトータルでみられるようになるが、それだけ地元には知恵が求められる。震災の影響で東北を訪れる外国人旅行者は増えていな いが、東北には食や自然など十分な潜在力がある。震災を観光と結び付ける視点も大切。国交省としても出先機関と連携し東北の観光需要を掘り起こしたい

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