応募低調、定員の4割 既卒者の「就職応援プロジェクト」

 就職先が決まらない大学、高校の卒業生が県内企業で半年間にわたって職場実習する、県中小企業団体中央会(仙台市)の「就職応援プロジェクト」の応募が低調だ。応募は定員の4割以下で、制度の周知不足などが要因とみられる。実習中の働きぶりによっては正規採用する企業・団体もある。中央会は21日の最終締め切りを控え、実習生を募っている。
 事業は本年度の国の緊急経済対策の一環。3月に卒業した学生が対象で、実習中は半年間同じ企業などに通い、技能やノウハウを学ぶ。実習生に日額7000円の技能習得支援助成金が出るほか、受け入れ側にも日額3500円の教育訓練費助成金などが支給される。
 百貨店やIT企業などを受け入れ先に3月から、100人の実習生を募ったものの、応募は39人にとどまっている。
 応募者と企業双方の希望が一致するのが実習開始の条件で、最初の4月開始分は13社が受け入れに手を挙げ、10人が実習を始めた。
 19社が受け入れの意向を示した5月は10人が実習を開始。6月開始分は追加募集で5人が決まったものの、依然、実習枠に空きがある。応募のうち14人は双方の希望が一致せず、実習に至らなかった。
 正採用を考える受け入れ先もある。環境事業を手掛けるNPO法人環境会議所東北(仙台市)は「正採用を意識して面接した」と説明。同法人で実習中の男性(23)も「就職前の試用と考え、勉強している」と話すように、就職に直結する道もある。
 それでも応募は芳しくない。7月開始の最後の実習では25社程度が受け入れ準備を進めるが、「問い合わせもまだわずか」(中央会)という。
 中央会は「新制度なので知名度不足なのかもしれない。教育現場でも既卒者の支援まで手が回らないのかもしれないが、ぜひ制度を活用してほしい」と呼び掛ける。連絡先は中央会022(222)5560。

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