急増する「恥ずかしい死に方」で家族を困惑させる人たち

前編記事「変な死人が増加中…本当にあった「恥ずかしい死に方」がヤバすぎる《なぜこの場所で?遺族が赤面と困惑》」では恥ずかしい死に方を具体例を挙げながら紹介した。続くこの後編記事でも実際にあった恥ずかしい死に方を引き続き紹介する。

親父が詠んだ「エロ短歌」

清水寛一さん(52歳)は亡父(享年74)が一人で暮らしていたアパートを片付けていたところ、不審な紙袋を押し入れから見つけ、困惑した。

「若い女性のものとみられるパンツが紙袋いっぱいに詰め込まれていました。一緒に日記も残されていた。そこには、父が盛り場や飲み屋で若い女性に声をかけ、パンツを買い漁っていた様子が記されていたのです。

パパ活というか、かつてのブルセラですね。〈チャンクミ・21才・将来の夢はネイリスト・白1〉というメモは、クミちゃんというネイリストを夢見る女性から白のパンティを買ったということでしょう。1とは1枚なのか1万円だったのか、判然としません。

その脇には〈あどけなき/君が残した/白百合の/つぼみに吾は/陶然とす〉というヘタな短歌も添えられていました。いくらなんでもこれは酷すぎると、頭がクラクラしましたよ。

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父に一人暮らしをさせていたことに罪悪感を覚えていましたが、大量に遺されたパンツと向きあって複雑な気分です」

人間はいくつになっても欲望から逃れることはできない。それが一瞬の気の緩みにつながり、大きな事故を引き起こすことがある。横山光太郎さん(63歳)は昨年の夏、ゴルフ帰りに山道をドライブ中、突如として車線からはみ出し、道路脇のカーブミラーと衝突した。助手席に同乗していた友人が振り返る。

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「夏なので歩道に突然、水着姿の女性が二人現れたんです。渓流で水遊びでもしていたのでしょう。カラフルで小さなビキニで、お尻も見たいと思って目で追ったところ、運転席の横山も同じように見ていることに気づいた。『あっ』と思った時にはもう遅かった。そのまま激突です。

私はムチウチで済みましたが、あいつは肋骨から腕にかけて複雑骨折して、入院。折れた肋骨が肺に突き刺さる重体で、そのまま退院することなく、亡くなってしまいました。ご遺族には女のケツを追っかけて死んだとは言えずにいます」

過激な陰謀論者になって死んでいく

性が絡まずとも、遺族に迷惑をかけてしまう恥ずかしい死に方はある。その舞台となりやすいのが介護施設だ。現役のケアマネージャーが話す。

「近年、施設で問題になっているのが、スマートフォンやタブレット端末です。私が担当していた橋本恭司さん(享年81歳)も、娘さんからスマホをもらい、職員に使い方を教わって、動画サイトにハマった。ちょっとエッチな動画や、陰謀論を垂れ流すチャンネルに夢中になりました。

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どんどん小さな画面にのめり込んでいき、使用が禁止された共用スペースにまで持ち込むようになってしまいました。私たち職員は危険だと注意しましたが、『お前らもディープステートの手先だ』などとわけのわからないことを言い、歩きスマホをやめません。

ついに橋本さんは階段を踏み外して大腿骨を骨折し、寝たきりの状態に。半年も経たないうちに亡くなってしまいました」

よかれと思いスマホをプレゼントしただけなのに、娘もまさか父が過激な陰謀論者になって人生を終えるとは思っていなかっただろう。

カーセックスで溺死

日本に限らず、世界中の至るところで恥ずかしい死に方が報告されている。たとえば、’20年には中国の天津市郊外の小さな村にある湖から、白いSUVが引き上げられ、車内から裸の男女の遺体が発見された。

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心中か、はたまた第三者による殺人か-。警察が捜査した結果、メールなどのやり取りから二人が愛人関係だったことが判明。夢中になってカーセックスに励んでいたところ、サイドブレーキをかけ忘れて車が湖へ転落してしまい、溺死したのだという。

米国では’16年、男性が下半身丸出しのまま、路上で死亡する事故が起きた。運転中にタブレット端末でポルノ映画を観ながら自慰行為に耽っていたところ、前方不注意で急カーブを曲がり切れずに車は横転。男性はシートベルトを着用していなかったため、車外に放り出されて全身を強く打って亡くなった。

今日も世界中のどこかで、誰かが「恥ずかしい死」を迎える。次はあなたかもしれない。

「週刊現代」2023年3月4日号より

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