性犯罪歴なし証明する「日本版DBS」、学校や保育所は全職員対象…学習塾は見送りへ

 子どもと接する職場への就労希望者に、性犯罪歴がないことの証明を求める仕組み「日本版DBS」について、政府が学校や保育所、幼稚園で働く全ての人を対象に含める方向で検討していることがわかった。

 政府は、今秋にも制度の創設を盛り込んだ関連法案を提出する見通し。

 日本版DBSは、英国のDBS(ディスクロージャー・アンド・バーリング・サービス)制度を参考にしている。政府関係者によると、性犯罪歴を登録したシステムを活用し、教育や保育関係への就労希望者は性犯罪歴がないことを証明し、雇用主もそれを確認することを義務づける。

 対象として、子どもと接する時間の長い学校や保育所、幼稚園のほか、児童養護施設の職員などを想定。性犯罪の種別については刑法犯を中心に検討を進めている。性犯罪歴がある人については、上限を設けたうえで一定期間、就労できないようにする方向だ。

 一方、学習塾やスポーツクラブなどについては、義務化の対象から外れる見通しになっている。

 制度の創設を巡っては、就労の制限や犯罪歴の照会が、憲法が保障する「職業選択の自由」や「プライバシー権」にも関わるため、対象の範囲や規制内容が論点となっている。こども家庭庁は、6月から法律の専門家などによる有識者会議を開いており、その意見を踏まえ、今秋の臨時国会に提出する関連法案の内容を固める方針だ。

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