宮城県は29日、女性や子どもを対象にした犯罪対策を検討する「女性と子どもの安全・安心社会づくり懇談会」の最終会合を県庁で開き、施策の方向性をまとめた。不審な声掛けなど子どもに不安を与える行為を規制する条例制定に加え、性犯罪被害者らの支援センターを来年度早期にも新設する方針を盛り込んだ。
性犯罪被害者支援センターは、相談やカウンセリングなどを一元的に受け付ける。医療機関や民間支援団体などとの連携体制を整備し、カウンセリング費用や弁護士への相談費用などに対する助成制度も検討する。設置場所は今後、関係機関と協議する。
県は2010年12月に有識者らをメンバーとする懇談会を設置。性犯罪前歴者などを衛星利用測位システム(GPS)で常時監視できる条例に加え、児童ポルノの単純所持や子どもへの声掛け行為などを規制する条例制定の検討も始めた。
東日本大震災による中断を経て、ことし5月から検討を再開していた。
懇談会では、県側が不審な声掛けなどを規制する条例を制定する方針を説明し、了承された。
児童ポルノの単純所持の規制については、国レベルで法改正が検討されていることから、動向を見守る方針を確認した。
ドメスティックバイオレンス(DV)被害者の一時保護委託先の拡充など、DV・ストーカー被害対策も盛り込んだ。
村井嘉浩知事は懇談会後、「施策がまとまり、ようやく第一歩を踏み出せる。宮城を女性と子どもが住みやすいモデル県にしたい」と話した。