恐れられる賞になってきた「ブラック企業大賞」ノミネート発表

今年で4回目を迎える「ブラック企業大賞2015」のノミネート企業が27日、発表された。ブラック企業とは長時間労働やセクハラ・パワハラなど労働環境に問題のある会社や組織のこと。今回は6社が選ばれた。

1社目は「株式会社セブン―イレブン・ジャパン」。最大手コンビニチェーンだ。販売期限が近い弁当を値下げして売る「見切り販売」をめぐって、フランチャ イズ加盟店主と裁判沙汰になっていた。また、アルバイトに正社員並みの仕事と責任を過剰に求める「ブラックバイト」の代表として選ばれている。

福井県にある消防用設備を取り扱う「暁産業株式会社」では、未成年の男性社員が上司からのパワハラで自殺。中小企業の代表的事例としてノミネートされた。靴でおなじみの「株式会社エービーシー・マート」は今年7月、残業させすぎたとして労働基準法違反の疑いで書類送検。

飲食店を運営する「株式会社フジオフードシステム」も長時間労働や残業代不払いで関係者が書類送検されている。明光義塾を運営する「株式会社明光ネット ワークジャパン」は賃金未払いで全国各地の労働基準監督署から是正勧告を受けた。個別指導塾では賃金が払われないブラックバイトが問題となっている。

ネットで恫喝動画が話題になった「株式会社引越社関東」もノミネート。「アリさんマークの引越社」として有名だ。懲戒解雇にした社員の「罪状ペーパー」を作成し、社内に張り出していた。

この賞はあくまでブラック企業がなくなることを願ってのもの。過去にノミネートされた企業に変化はあったのか。同大賞実行委員会の佐々木亮弁護士は「すき 家(株式会社ゼンショー)は第三者委員会を作って改善に向けて動いています。『たかの友梨ビューティクリニック』もいい方向に進んでいると聞いています」 と話す。

ブラック企業といえば13年大賞の「ワタミフードサービス株式会社」が有名になった。ブラック企業批判を浴びたせいなのか、店 舗の閉鎖など景気の悪い話も多い。ノミネートされたら不買運動が起きかねず、影響力は大きい。同大賞はウェブ投票が可能で、結果は11月29日に発表され る。かなり恐れられる賞になってきた。

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