新型コロナウイルスの一日も早い収束を願い、全国の花火師が各地で一斉に花火を打ち上げる企画の準備を進めている。観客の密集を避けるため日時は事前告知せず、場所も非公開。現在、東北の約20業者を含む全国約160業者が参加を予定している。
「全国一斉悪疫退散祈願Cheer up! 花火プロジェクト」と銘打ち、業者有志が企画した。設定日の特定の5分間に自己負担で打ち上げる。
宮城県から参加する4社の一つ、小関煙火(白石市)社長の小関尚人さん(57)は「めでたいイメージがある打ち上げ花火は、元々は疫病退散を祈る意味合いもあった。トンネルの中で先が見えないような状況だが、コロナ収束へののろしを上げたい」と話す。
例年なら妻由美子さん(54)、長男将太さん(28)にアルバイトも加えた花火玉作りの繁忙期。今年は各地の祭りや花火大会が中止となり、12月まで70件ほどあった注文は全てキャンセルとなった。
将太さんは「花火業界も厳しいが、皆で元気になれるよう、できることから取り組みたい。落ち込んだ気持ちが少しでも楽になれば」と願う。当日は医療従事者への感謝を込めて青色の花火などを打ち上げるという。