意識が逆転しちゃった?今の若者の安定志向

少し前の日本では、多少リスクを負ってでもさまざまなことにチャレンジしたいという意識がありました。しかし、現在の若者はとにかく安定したいという気持ちが復活したようです。どのように変わってしまったのでしょうか?ここでは、安定を渇望する現代の若者事情をご紹介します。
■ 90年代と今
90年代の若者は、安定するよりはルートを踏み外したり自由に生きることを意識していました。いろいろやってみたいという気持ちが強かったのですね。実際は、当時の若者の生活はとても安定してました。全員が正社員になれ、女性は正社員と結婚することができたのです。現在の若者は正社員になりたいなどという願望が強く、安定を求めています。しかし現実は、不安定でリスクフルです。ないものねだりなのかもしれませんが、時代によってこんなにも180度意識が変わってしまうものなのですね。
■ 安定志向
では具体的に安定志向とは、どういうところに影響がでているでしょうか?
◎ 終身雇用を望む新入社員
氷河期と言われる現代の就職活動について、多くの人が「大変だった」と感じています。100社受けても内定がもらえないというのも珍しい話ではなくなりました。そのように、気力も自信を失うような経験をしてきたからこそ、一度どこかへ就職をしてしまえば「もうここでずっと働いていたい」と思うのだそうです。一見向上心がなくなってしまったのかと心配になるところですが、大丈夫です。転職するという意識は薄まっていますが、「早く会社に貢献できる人材になりたい」「管理職を目指したい」という意識が高まっているのです。安定したいけれど、別に向上心がなくなったわけではない!ということですね。安心です。
◎ 専業主婦復活志向
厚生労働省の調査によると、未婚女性の45%以上が専業主婦になりたいと考えているそうです。男女雇用平等を遂げてから日本は、女性の社会進出は当たり前、結婚後も共働きは生活の基本という認識に変わりました。しかしまた今になって、女性たちは専業主婦になりたいという気持ちが強くなっています。理由としては、子育てのことがあります。育児休暇がとれたり、少しずつ子育てしながらも働ける環境になってきてはいますが、まだまだ思うようにはいかないのが現実です。子どもを取るか仕事を取るか、その選択肢に迫られると、やはり女性は子どもを取りたくなりますよね。ただ、子育ても仕事も両立している女性がいることも事実です。そのような女性たちから見れば、専業主婦の希望者が多くなれば働く環境において足を引っ張られかねないと、あまりいい顔をしたくはないかもしれませんね。
◎ 留学者の減少
現在の留学を希望する学生は、2000年頃に比べてがくっと数が減りました。リクルート進学総研のデータによると、海外留学の意向がない学生の割合は約39%で、留学を希望している学生よりもわずかに上回りました。留学に後ろ向きな理由として、「費用が高い」「外国語が苦手」が同じくらいの割合で挙げられました。前向きな理由は「外国語で会話できるようになりたい」が75%で最も多く、「就職に有利」も36%に上りました。苦手な外国語のためにお金を費やして行っても、たいした収穫にならないかもしれないという不安が消極的にさせているのかもしれません。
■ おわりに
意識が180度変わった現代の若者意識も、社会の変化があるからこそですよね。今後もどのように変わっていくのか気になるところです。

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