城県は26日、新型コロナウイルス感染症対策本部会議を県庁で開き、発生届の対象を高齢者ら重症化リスクがある人に限定する方針を決めた。29日までに厚生労働省に届け出て、31日から運用を始める。発生届の件数を4分の1程度に減らせると見込み、逼迫(ひっぱく)する医療機関や保健所の負担軽減を図る。感染者の総数、年代別人数の把握と公表は続ける。
対策宣言1カ月延長
発生届の対象は(1)65歳以上(2)入院が必要(3)重症化リスクがあり治療や投薬が必要(4)妊娠中-という条件のいずれかに合致する感染者で、医療機関は従来通り氏名や年齢、連絡先などと共に保健所に届け出る。該当しない感染者は、年代別の人数だけを報告する。
県は31日「陽性者サポートセンター」を県庁内に開設し、発生届の対象外となった感染者の相談対応や療養支援に当たる。ただ、感染者自身がセンターに連絡や登録を行う必要がある。
村井嘉浩知事は「医療機関や保健所の負担を相当程度軽くできる」と強調。「対象外でも決して無理をせず、センターに連絡してほしい」と呼びかけ、開設時の連絡先の周知に力を入れる考えを示した。
佐藤和宏県医師会長は「医師会内ではセンターの負担増に加え、患者からの連絡を十分に把握できるのか懸念がある。やってみて、必要であれば修正していくべきだ」と指摘した。
県は、31日が期限の「みやぎBA・5対策強化宣言」を9月30日まで1カ月延長することも決めた。