感涙748日目の凱旋 寛平さん2年ぶり日本上陸

マラソンとヨットで世界を一周する「アースマラソン」に挑戦中のタレント、間寛平さん(61)が中国・青島からヨットで東シナ海を渡り、4日、九州・福岡に到着した。平成20年12月に大阪を出発してから748日目の“日本凱旋(がいせん)”。移動距離は延べ約3万9420キロにも及ぶ。道中、前立腺がんが見つかるなど、さまざまな困難に見舞われながらもユーラシア大陸を走破した寛平さんは今後、ゴールの大阪へ向け、ラストスパートをかける。(植木芳和)
 ■2500人の歓迎、孫抱えギャグ連発
 「みんなありがとう! 無事帰ったぞ!」。4日早朝、土砂降りの雨の中、赤いジャンパーに身を包んだ寛平さんは福岡市西区のヨットハーバーに着岸し、喜びの雄たけびをあげた。
 辻本茂雄さんや未知やすえさんらタレントが「お帰りなさい!」と叫び、約2500人の一般客が出迎えた凱旋の花道。上陸した寛平さんは、出迎えた家族に囲まれ「やっぱり日本の地は温かいな」。孫の佑弥君(4)を抱きかかえ、「みんなの応援が勇気を与えてくれた」と感謝の言葉を繰り返し、得意のギャグも連発した。
 ■灼熱54度、銃口、がん治療…
 アースマラソンは、所属する吉本興業グループの創業100周年記念事業の一環。20年12月に大阪・なんばのグランド花月を出発、千葉県鴨川市から米ロサンゼルスへヨットで渡った。
 出発前の寛平さんは「いま世の中に活気がないから盛り上げなあかんと思った」と話す一方で、「世界各地で『アメマ~』と叫びたい」とギャグも。
 標高約3300メートルのロッキー山脈、トルクメニスタンでは気温54度の灼熱(しゃくねつ)など過酷な環境に遭遇。セルビアでは盗難被害にあい、キルギスでは不法入国と勘違いした軍人に銃口を向けられた。「どこの国でも走ってるときは同じ。みんなが応援してくれて、勇気を与えてくれた」
 ユーラシア大陸は昨年8月、フランスのルアーブルでスタート。チェコ、ブルガリア、トルコ、ウズベキスタン、中国など計16カ国を通過。「東に向かって出発したが、西から帰ってきた。地球が丸いことがよく分かった」という。
 昨年4月には、前立腺がん治療のためマラソンを中断。米サンフランシスコで治療を終え、6月、中央アジア南西部トルクメニスタンでマラソンを再開した。
 ■大阪へ620キロラストラン
 日本上陸後は、瀬戸内海沿いに東に向かい、今月21日には約620キロ先の大阪を目指す。ゴール後は大阪城野外音楽堂(大阪市中央区)でゴールイベントが開かれるほか、札幌、名古屋、広島、福岡でも吉本タレントが出演する記念ライブが予定されている。
 約2年をかけて地球を1周した寛平さんは「大阪をスタートして再び大阪にゴールする。めちゃくちゃうれしいね。頭の中で想像するとジーンとくるよ。今から涙、出そう」と感無量の表情で話していた。
      ◇
 ■間寛平さんの主な足取り
平成20年12月17日 大阪・なんばグランド花月前を出発
  21年1月1日 千葉県鴨川市からヨットで出発
    3月   米ロサンゼルスに到着
    4月   ロッキー山脈頂上に到達
    7月   米ニューヨークに到着
    8月   ヨットで大西洋横断、仏ルアーブルに到着
    10月   デンマーク・コペンハーゲン入り
  22年1月   前立腺がんが判明
    4月   マラソンを一旦中断、米国で治療
    6月   トルクメニスタンでマラソンを再開
    12月   ユーラシア大陸を走破、中国山東省青島に到着
  23年1月4日 ヨットで福岡に到着

タイトルとURLをコピーしました