慰霊塔建立、186人弔う 仙台荒浜

東日本大震災の発生から9カ月を迎えた11日、仙台市若林区荒浜で犠牲となった住民186人を弔う慰霊祭が営まれた。遺族や住民ら約570人が参列、市民有志が建てた慰霊塔が除幕された。
 慰霊塔は木製の高さ2.5メートル。荒浜の5町内会を含む七郷地区町内会連合会を主体とする「慰霊塔建立実行委」が募金などを集め、深沼海水浴場の入り口付近に建立した。塔の中には、2歳から90歳までの犠牲者全員の名前を書いた紙を納めた。
 参列者は震災が起きた午後2時46分に黙とう。地区内にある浄土寺の中沢秀宣住職を導師に、僧侶約10人が読経を唱えた後、参列者全員で焼香した。
 実行委の大場光昭委員長(82)は「塔は過去を呼び起こすよすがとしてだけでなく、復興に立ち上がる地区民の決意の表れとしても受け取ってほしい」と式辞を述べた。
 慰霊祭には、震災直後の荒浜小で避難者の救助などに当たった陸上自衛隊霞目駐屯地(若林区)の幹部らも参列。住民が感謝状を贈った。
 津波で自宅を流された荒浜自治会の山田昭男会長(80)は「亡くなった人たちのために何かしなくてはと思っていたので、一つ安心した。協力してくれた方々には、感謝の気持ちでいっぱい」と話した。

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