新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、成人式を10日前後に予定していた東北6県の181市町村のうち、66%の119市町村が中止か延期を決めたことが分かった。秋田、山形両県は全てが開催を見送り、予定通りの実施は青森、岩手、宮城、福島4県の62市町村(34%)にとどまる。開催する市町村は式典の規模縮小、新成人への検査実施といった感染防止策に奔走。今年は異例の「晴れの日」となりそうだ。
1月成人式の開催、延期、中止を6日夕時点でまとめた県別市町村数は表の通り。宮城の82%、福島の44%で開催するのに対し、秋田、山形は大半が延期を選んだ。苦渋の決断となった中止は27市町村(15%)。青森が最多で岩手が続き、宮城はゼロ。
岩手で中止する8市町のうち、盛岡市は市出身の菊池雄星投手(米大リーグマリナーズ、岩手・花巻東高出)らのメッセージを特設ホームページで公開する。山形で唯一中止する天童市は、新成人の恩師が寄せたビデオレターをオンラインで配信する。
延期は92市町村(51%)。弘前市は周辺の高校でクラスター(感染者集団)が発生したのを受け、3月をめどに行う見込み。市は貸衣装のキャンセル料への助成を検討する。
栗原市は「感染がどう拡大するか見通しが立たない」として、1年後に延期。2世代の成人式を別々に実施する方針だ。
雪国の秋田は例年8月に開催が集中するが、コロナの影響で10市町村が昨夏に続き今回も見送った。大仙市は8月への再延期を決めた後、実行委員会の新成人から「次に実施できなかったら、式を諦める」との申し出を受けたという。
開催する市町村は、感染対策に念を入れる。
累計感染者が東北で最も多い宮城県では、体温や体調、渡航歴を記入した健康調査票の提出を求めるほか、広い会場への変更、式典の時間短縮に取り組む市町村がある。仙台市は首都圏などの感染急増を念頭に、県外在住者の出席を控えるよう呼び掛け、議論を呼んでいる。
青森県の蓬田村や東通村、岩手県一戸町では、事前に送付したPCR検査キットで陰性が確認できた新成人のみ式に参加できる。