ホンダの伊東孝紳社長は14日、タイとインドで来年発売する戦略小型車「ブリオ」をブラジルにも投入する方向で検討することを明らかにした。経済成長を背景にブラジルの自動車市場は急速に拡大しているが、同社のシェアは約4%にとどまっている。世界の自動車販売の重心は新興国に移っているだけに、アジアに続いて南米でも小型車を展開することで、市場開拓を加速させたい考えだ。
伊東社長はブリオのブラジル投入について「十分考えられる。そこは最善を尽くす」と述べた。
ブリオは来年3月にタイ、来年末までにインドで生産・販売を開始。排気量は1200ccで、最低価格はタイで40万バーツ(約110万円)、インドでは50万ルピー(約90万円)以下にする方針だ。東南アジアや南アジアの周辺国にも輸出する。
伊東社長は「まずはインド、タイに定着するのが優先だ」と強調し、ブラジルには両国からの輸出を視野に入れていることを明らかにした。
ブラジルの2009年の新車販売台数は前年比11・9%増の320万台と世界5位の規模に拡大しているが、シェアの大半を欧米勢が占め、日本勢の巻き返しが急務になっている。