首都圏で折り込み広告枚数が増加傾向にあり、同時にスーパーのチラシを見てから買い物をする消費者の数も増えているようだ。
読売インフォメーションサービスによると、2011年11月の首都圏全体の折り込み広告枚数は537.4枚で、前年比で2.0%増加した。地区別では、都内が5.1%、都下が1.9%、神奈川が1.8%、埼玉が2.9%それぞれ増加した。千葉県は5.2%のマイナスだった。
2011年を振り返ってみると、首都圏全体の折り込み広告枚数は、1月と2月に前年度を若干上回る程度で推移していたが、3月11日の震災の影響で大きく落ち込み、3月が前年比マイナス26.8%、4月がマイナス11.6%、5月がマイナス8.4%と低迷した。しかし、その後徐々に回復し、最近では、9月と11月に前年度をわずかに上回った。震災後の自粛ムードも改善し、売上の本格回復に向けて、広告宣伝費を増やす企業が増えているようだ。
そんな企業を後押しする消費者のデータもある。ドゥ・ハウスが、2011年5月と8月に、20歳~79歳のインターネットリサーチモニター対象に、「スーパーのチラシ利用実態」に関するアンケートを行ったところ、「いつもチラシを見てから出かける」「チラシを見てから出かけることが多い」という回答が51.6%を超えていた。これは2010年の調査より1.8ポイント増加しており、2009年と比較すると17.4ポイントも増えている。
震災発生後には品不足が発生し、スーパーなどではチラシの折り込みを控える傾向にあった。しかし最近では、消費者と出稿側のニーズが合致し、折り込み広告業界が活性化しているようだ。