持ち株会社「プロクレアHD」新設 青森銀・みちのく銀、経営統合に合意

青森県を地盤とする青森銀行とみちのく銀行(ともに青森市)は12日、2022年4月1日に経営統合することで最終合意した。共同持ち株会社「プロクレアホールディングス(HD)」を新設し、両行が傘下に入る。統合から2年後の24年に合併する方針。来年1月に開かれる臨時株主総会で、経営統合の承認を求める。

 共同持ち株会社の株式移転比率は青森銀1に対し、みちのく銀0・46。プロクレアHDは東京証券取引所の再編に伴って新設される最上位市場「プライム」に上場し、両行の上場を廃止する。設立時の役員は社外取締役を含めて青森銀6人、みちのく銀4人の計10人。青森銀の成田晋頭取が社長、みちのく銀の藤沢貴之頭取が副社長に就く。

 プロクレアはラテン語の挑戦(Provocatio)と創造(Creare)を合わせた造語。傘下に入る段階では両行の名称を変えず、合併後の銀行名は今後検討に着手する。

 現在は別々に導入している基幹システムについては合併時、青森銀など地銀13行が採用するNTTデータの「地銀共同センター」に一本化する方針で、2年を要するとみている。

 12日に青森市内であった共同記者会見で、成田頭取は「歩みは違えど志が同じ2行。顧客とともに成長したい」、藤沢頭取は「今まで以上に地域貢献できる新しいグループを目指す」と述べた。

 両行は今年5月、統合に向けた協議入りで基本合意。取締役らで構成する統合準備委員会が協議を重ね、12日の両取締役会で最終契約を締結した。

 21年9月中間期の連結総資産は青森銀が3兆8114億円、みちのく銀が2兆4119億円で合わせて6兆2233億円。

 統合によって青森県内の貸出金シェアは7割を超えるが、一定の条件を満たせば「寡占」扱いにしない独占禁止法特例法の初適用を目指す。地方金融機関の再編を促す国、日銀などの各支援制度も活用する。

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