小学生が起業体験を通じて社会の仕組みを学ぶワークショップが、仙台市若林区卸町の起業家育成スペース「INTILAQ東北イノベーションセンター」であった。社会的な課題に挑戦する意識を育もうと、市と同センターが主催した。
9月8日に開かれ、市内の小学4~6年生約20人と保護者らが参加した。4、5人のグループに分かれ、仮想の会社を設立し、清掃用品をテーマに販売する商品を企画。資金調達、製作、販売、決算などを実践し起業の流れを体験した。
児童らは同センターが用意した材料を基に商品を考え、利益や経費の計画を何度も練り直した。資金融資の体験では、日本政策金融公庫や七十七銀行の行員が加わり、借用書を使った実際に近い融資交渉を再現し、契約の緊張感を伝えた。
片平丁小6年の金ケ崎民希君(12)は「借用書を何度も書き直し、お金を借りる難しさが分かった」と話した。虹の丘小5年の鈴木万結さん(11)は「売り上げを予測し、利子を含む返済額を計算するのが大変だった。他学年の人と協力して頑張れた」と語った。
市は子どものチャレンジ精神を養おうと、4年前から同センターに業務委託し、年数回、児童生徒向けの起業体験を実施している。
同センターの佐々木大センター長は「挑戦する喜びを知り、失敗する経験もして、変化の大きい現代社会を生き抜く力を身に付けてもらいたい」と期待する。