新型コロナウイルスの感染拡大で休校となった全国の小中高校などの新学期からの再開に向け、文部科学省がまとめたガイドラインの内容が23日、分かった。教室の換気や会話の際のマスク着用などを求め、集団感染のリスクを徹底して避けることが柱。文科省は24日に各都道府県の教育委員会などに通知を出す。
政府の専門家会議は(1)換気の悪い密閉空間(2)多くの人が密集(3)近距離での会話や発声-の3条件が重なった場合に集団感染が起きると分析している。これを踏まえ、ガイドラインは入学式や始業式などの学校行事や部活動を実施する際には3条件が重ならないよう対策を講じるよう求めた。
修学旅行については、児童、生徒の心情に配慮し、当面の措置として取りやめる場合でも、中止ではなく延期扱いにするよう検討することを求めた。
生徒らの感染が判明したり、濃厚接触者と特定されたりした場合は出席停止の措置をとる。発熱などのかぜの症状がみられれば自宅で休養するよう指導する。
文科省は感染症に対応した臨時休校を行う場合のガイドラインも作成した。生徒や教職員らの感染が判明した場合、症状の有無や地域での感染拡大の状況などを総合的に考慮し、自治体の衛生部局と十分に相談するよう求めた。
萩生田光一文科相は23日の参院予算委員会で「爆発的な感染拡大には進んでいない。原則として全ての学校が再開される」と述べた。