警察庁は14日、有害サイト閲覧制限サービス「フィルタリング」の利用促進に向け、携帯電話販売店の実態調査をすると明らかにした。同サービスの利用率は低い水準にとどまっており、同庁は販売店の説明不足が背景にあるとみて、調査結果を分析し、取り組み強化を働き掛ける。
青少年インターネット環境整備法は、子どもが「非出会い系サイト」などで犯罪被害に遭うのを防ぐため、18歳未満が使用する携帯電話はフィルタリングを原則として利用させることを携帯電話会社に義務付けている。しかし内閣府によると、10~17歳の利用率は48.2%にとどまっている。
調査は、全国警察本部の警察官やボランティアが身分を明かさずに販売店を訪問する覆面方式で実施。「携帯電話を買いたい」と申し出た際、店員は利用者が子どもかどうかを確認するか▽フィルタリングの正確な知識を持っているか▽利用しない場合の危険性を説明するか-などを調べる。
調査期間は14日から年内で、対象は携帯電話専売店や家電量販店など全国の約1500店舗。携帯電話会社には事前に覆面調査をすると説明するが、対象店舗は知らせない。
また警察庁は、フィルタリングの普及には保護者の理解が欠かせないとして、学校やPTAへの働き掛けも強化。学校の入学説明会などに警察官を派遣し、携帯電話による子どもの犯罪被害の実態などを説明し、有害サイトの危険性の認識などを高めてもらう取り組みに力を入れる。(2010/12 /14-09:09)