攻勢かける「中国スマホ」…低価格・高機能機種を日本で投入

中国のスマートフォンメーカーが、日本で攻勢をかけている。低価格・高機能の機種を投入して世界市場で存在感を高めており、日本の消費者にも受け入れられるかどうか、注目されている。

 スマホ世界4位の中国・小米科技(シャオミ)は9日、都内で発表会を開いた。東アジア担当ゼネラルマネジャーのスティーブン・ワン氏は「日本は来年、(次世代通信規格の)5Gへの切り替えがある。まずはブランドを広く知ってもらいたい」と述べ、新たに日本に参入する狙いを説明した。

 16日に発売する最新モデルのスマホは、日本の拠点で開発したカメラを背面に五つ搭載した。他社の旗艦モデル並みの機能を売りとするが、価格は税込み約5万8000円に抑えた。利用者が携帯会社を自由に選べる「SIMフリー端末」で大手通信会社での店頭販売はなく、当面はネット通販のアマゾンで販売する。

 中国勢では、世界2位の華為技術(ファーウェイ)も11月に新製品の「nova 5T」を投入した。背面に四つのレンズを搭載し、想定価格は税込みで約6万円。背面に三つのレンズを搭載した米アップルの「iPhone(アイフォーン)11 Pro」の約半額だ。世界5位のOPPO(オッポ)は10月、「おサイフケータイ」が使える日本向けスマホを発売した。

 日本では10月から携帯電話料金の規制が変わり、通信契約を条件とした端末代の値引きは上限が2万円に制限された。端末代に限れば、購入者の負担が増す可能性があり、コストパフォーマンス(費用対効果)を売りとする中国勢には追い風になる可能性がある。

 ただ、日本ではiPhoneの人気が高く、国内シェア(市場占有率)は約50%と圧倒的だ。また、日本では携帯各社を通じて端末を購入する消費者が多く、SIMフリー端末を得意とする中国勢には不利な状況だ。

 IDCジャパンの菅原啓シニアマーケットアナリストは「中国勢が日本市場に浸透するには、消費者のサポート体制の充実が課題となる。当面、iPhoneの1強状態は続くだろう」と分析している。

 ◆小米科技(シャオミ)=2010年創業の中国の新興スマホメーカーで、炊飯器などの家電も手がける。創業者の雷軍(レイジュン)氏は、アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏になぞらえ、「中国のジョブズ」とも呼ばれている。

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