東京電力福島第1原発事故に伴う放射能汚染の有無を市民の連携でチェックするウェブサイト「みんなのデータサイト」の関係者らが、統一された手法で東日本 全域の土壌の状況を調べる「東日本土壌ベクレル測定プロジェクト」を進めている。調査地点を増やして精度を高めたいと、土壌採取などの協力者を募ってい る。
空間放射線量の測定だけでは分からない汚染の全体像を把握するには土壌のチェックが意味を持つと、昨年10月に試験的にプロジェクトに着手した。
調査は東北6県や関東など東日本17都県の放射能を測定している各地の民間団体が連携。3月までに約200地点で採取し測定を行った。今月から土壌採取の協力を一般市民に広く呼び掛けるなど本格始動させた。当面は来年3月まで1700地点での調査を目指す。
「原発事故から4年がたったいま、冷静なデータを基に放射能の影響の現状を広域的に捉えることが必要」。プロジェクト事務局長を務める「こどもみらい測定所」(東京)の石丸偉丈(ひでたけ)代表は、狙いをこう説明する。
各地の状況を同じ基準で比較できるよう「深さ5センチの土を採取」など、調査マニュアルを作った。採取した土はビニール袋に入れて袋の上からもんで混ぜ、事務局が指定した民間団体の測定室に送付する。測定結果はウェブの地図上などに分かりやすく公表する。
17都県でそれぞれ100カ所以上をまずは測定。その上でより精密なデータ集積を図るため、各都県の測定地点を3倍の300カ所に増やすことを目標とする。石丸さんは「より正確なデータを蓄積するため、多くの方々の協力をいただけたらありがたい」と呼び掛けている。
連絡先はみんなのデータサイト事務局070(5583)7219。