放射能測定事業を強化 東北緑化、依頼急増に対応

 東北電力グループの東北緑化環境保全(仙台市)は、土壌や食品の放射能測定事業を強化する。主に東北電の原発内で調査を請け負ってきたが、福島第1原発事故後は自治体や企業からの依頼が急増。独自に測定機器を購入するなどしてニーズに対応することにした。
 多賀城市の測定分析事業部に7月末、ヨウ素やセシウムなど放射性物質の分析や濃度測定が可能なゲルマニウム半導体検出器1台を設置した。これまでは東北電の装置を利用しており、自社での導入は初めて。10月には2台目を購入する。
 主に大学の研究機関や電力会社が所有する高精度の測定機器で、価格は1台約1600万円。土壌や水などの試料を15分程度で解析できる。
 測定料金は1件当たり2万円程度。現在は測定からデータ提供まで3日ほどかかる。宮城、福島両県の自治体や企業などの依頼を受け、8月下旬までに堆肥や焼却灰など約20件を測定した。
 他に7月に空間放射線量を測る携帯型や、工業製品の放射能濃度を測定する機器など計9台を導入。専門担当社員を7月に5人配置し、8月には9人に増員した。
 東北緑化が手掛けてきた東北電の原発内での測定事業は、30年以上の実績がある。測定分析事業部は「長年培ったノウハウを活用し、高度な分析データを顧客に提供したい」と話している。

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