仙台、米沢両市など仙台藩祖・伊達政宗ゆかりの地を結び、各地の魅力をPRするプロジェクト「伊達三日月街道」が米沢市で始まった。同市赤芝地区の住民が中心となり、まち歩きマップ作りを進めている。今後は山形、宮城、福島の3県に活動範囲を広げ、交流人口を増やすのが狙いだ。
プロジェクトの活動地域は山形県高畠町、宮城県七ケ宿町、白石市、伊達市など広範に及ぶ。米沢市を起点に伊達市などを経由して仙台市までつなげ、政宗のかぶとの前立てにちなんだ三日月形の交流域をつくる考え。
赤芝地区の住民ら約20人が8月、プロジェクトの運営主体「伊達三日月街道活性化協議会」を設立した。
活動の第1弾となるマップ作りは赤芝地区周辺が対象。マップはA5判の4ページで、舘山(かんざん)寺や舘山(たてやま)城跡など伊達家ゆかりの場所をはじめ、同地区のカフェや温泉宿泊施設などを盛り込む。イラスト付きの地図をメインに一覧表を載せる。
イラストを依頼された広島県大崎上島町のイラストレーター照井博恵さん(33)=山形県白鷹町出身=が9月25日に地区を訪問。協議会メンバーの案内で舘山城や赤芝地区の温泉宿泊施設などを見学し、歴史や現状について説明を受けた。
照井さんは「実際に町を歩いて説明を受け、伊達家や赤芝地区の歴史を知ることができた。参考になる」とイメージを膨らませた。
協議会は10月中のマップ完成を目指し、市内の「道の駅 米沢」などに計1000部を配る予定。各施設の利用時に持参すると割引サービスが受けられるようにする。
長期の活動展開を見据え、協議会は各自治体や関係団体と協力してPRを進めようと準備を重ねる。スタンプラリー開催など各地の事情に合わせた形を探っていく。
進藤俊彦代表は「南東北は伊達家が治めた地域で、遺跡も多い。活動を通じてさまざまなつながりをつくり、内容を充実させたい」と言う。