日本財団(東京)が全国の17~19歳を対象に実施したエネルギー政策に関する意識調査で、2030年の電源構成に占める原発比率を20~22%程度とする政府目標に「賛成」または「もっと高めるべきだ」とする回答が約6割に上ったことが分かった。
調査は7月29日~8月2日、インターネットで実施し、全国1000人(男性514人、女性486人)から回答を得た。30年の原発比率に対する考え(択一式)はグラフの通り。
「30年に20~22%程度」の政府目標を「高めるべきだ」と答えたのは全体の17・6%。男女別では、男性25・5%、女性9・3%と顕著な差があった。目標に「賛成」は全体、男性、女性でそれぞれ4割台だった。
比率を「下げるべきだ」は男性19・5%、女性28・2%と開きがあり、「原発を完全にやめるべきだ」は全体、男性、女性とも15%前後だった。
政府は50年に温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」実現の足がかりとして、発電時に二酸化炭素をほぼ出さない原発の電源構成比率を30年に20~22%程度とする目標を掲げる。達成には30基近い既存原発を再稼働させる必要がある。
調査では、カーボンニュートラル目標について「言葉の意味も目標の存在も知っている」との回答が全体の約3割だった一方、「意味も目標も知らない」が約2割に上った。
30年の原発比率に対し「下げるべきだ」「原発を完全にやめるべきだ」とした人(約39%)の6割近くが「再生可能エネルギーで補うのがよい」と回答。このうち、具体的な再エネを複数回答で選んでもらったところ「太陽光」(67%)「水力」(約50%)「地熱」(約44%)の順で、「陸上風力」は約28%、「洋上風力」は約25%だった。
電気料金に上乗せされる再エネ発電促進賦課金を巡り「自分の負担が増えても再エネ導入を増やすべきだ」と考える人は全体の約24%だった一方、「負担増なら導入を増やすべきでない」は約32%に上った。日本財団は「他の世代に比べエネルギーコスト増への許容度が低い可能性がある」としている。