教室でマスク外せる?「苦しいけど我慢」を文科省も懸念 学校向けマニュアルを改訂

学校で一日中マスクをする児童生徒の熱中症リスクが高まっています。換気のため窓を開けた教室は冷房を付けても暑くなります。文部科学省も学校向けマニュアルを改訂し、「暑さで息苦しい時など本人の判断でマスクを外せるように」「熱中症リスクが高い場合、距離確保などが難しくても熱中症対応を優先」と柔軟な対応を教育委員会や学校に求めました。改訂でどう変わったのでしょうか。文科省健康教育・食育課に聞きました。【尾崎修二】 【図解】専門家会議の言う「新しい生活様式」って?  ◇登下校中は「距離確保できるなら外す」 補足わかりやすく  文科省の衛生管理マニュアル(5月22日公表)は当初から「熱中症などの健康被害が発生する可能性が高い場合はマスクを外して」としていました。6月16日の改訂版で、補足説明をわかりやすくしました。  ・距離確保や会話を控えるといった配慮が望ましいが、熱中症も命に関わる危険があるので熱中症対応を優先する  ・暑さで息苦しいと感じた時などはマスクを外す、一時的に片耳にかけて呼吸するなど、児童生徒自身の判断で適切に対応できるよう指導する  ・登下校中は「十分に距離確保できるならマスクを外す」「公共交通機関では着用」というような指導が必要  などです。  ◇気分悪くなりそうならちょっと外して  学校で全員がマスクをつけていると、息苦しくても我慢してしまう児童生徒が出かねません。気分が悪くなりそうならちょっとマスクを外す――といった行動を自ら取れるよう子どもたちに伝えてほしい。  新型コロナウイルスの感染対策はどうしても硬直的、義務的な雰囲気になる場合があります。なので、「マスクの取り外しは活動内容や児童生徒の様子を踏まえ、現場で臨機応変に対応することが重要」とも記載しました。  また、マスクはあくまで自分の飛沫(ひまつ)が外に飛ぶのを防ぐための対策です。改訂版では非常に少人数のクラスなどを念頭に、「十分な距離を確保できる場合、マスクは必要ない」とも明記しました。

タイトルとURLをコピーしました