教育再生会議 「道徳」を正式教科に 第1分科会で一致

 政府の教育再生会議の第1分科会(学校教育)が29日、首相官邸で開かれ、道徳教育を小中高校を通じた「正式な教科」と位置付けることで意見が一致した。道徳教育は現在、絶対評価(小学3段階、中学5段階)の対象外だが、将来は対象に加える方向で検討し、5月に出す第2次報告に盛り込む。
 道徳教育は、学習指導要領で国語や算数・数学などの教科とは別の領域とされる。年間35時間の「道徳の時間」のほか、音楽や体育など学校の教育活動全体を通じて実施するものとされている。
 しかし分科会終了後の記者会見で、小野元之副主査(元文科事務次官)は、会議で道徳の教科化を目指すことで一致したことを明らかにしたうえで、それにより指導要領上の位置づけが高まるとの考えを示した。小野氏は「道徳教育に不熱心な教師がおり、教材も充実していない」と語った。
 現在の道徳教育は、指導要領で「自分自身」「他の人とのかかわり」など指導上の四つの視点を示している。授業では「心のノート」などの副読本が使われているが、教科化すれば文科省の教科書検定を通過した教科書の使用が義務付けられることになる。
 第1分科会に先立って行われた総会では、安倍晋三首相が「(教育を)変えようとすれば抵抗に遭う。抵抗をエネルギーに変えてもらいたい」とあいさつした。【元英治】

最終更新:3月30日10時1分
毎日新聞

コメント

タイトルとURLをコピーしました