教育費ズシリ 年収の4割、家計を圧迫 東北

小学生以上の子どもがいる東北の家庭の教育費見込み(入学費用を除く在学費用)は2010年度、平均191万6000円で、年収の40.3%を占めることが日本政策金融公庫仙台支店の調査で分かった。年収に占める割合は前年度より5.9ポイント上昇し、全国平均(37.6%)を2.7ポイント上回った。
 不況のあおりで世帯年収が平均513万5000円と、前年度より25万4000円減少。これに対して授業料や教材費、学習塾代などの在学費用は15万円増加し、家庭の負担増に拍車が掛かった形となった。
 年収別の負担割合は、200万円以上400万円未満が56.0%で最も高かった。ほかは400万円以上600万円未満が37.5%、600万円以上800万円未満が28.7%、800万円以上900万円未満が30.8%、900万円以上が31.3%となった。
 入学費用を含めると、高校入学から大学卒業までの7年間で、子ども1人当たり平均986万8000円となり、前年度より87万7000円増えた。内訳は高校が295万2000円、大学が691万6000円だった。
 費用の捻出方法(複数回答)は「奨学金」が62.2%で最も多く、前年度トップの「教育費以外の節約」が59.3%で続いた。自宅以外から通学する子どもへの仕送り額は年100万6000円で、前年度より5万1000円増えた。
 仙台支店は「年収が低い世帯ほど教育費負担が重い。最近はパソコンなどが必要となり、教育費も増えているようだ。東北では節約が限界に達し、奨学金で教育費を賄う世帯の割合が増えた」と分析している。
 調査は10年7月、国の教育ローン利用者を対象に郵送で行い、東北の527世帯から有効回答を得た。

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