料理の基本、調味料の「さしすせそ」はなぜこの順番?

料理の基本ともいわれる「さしすせそ」。聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?これは、調味料の一文字を取り、その順番を表した略称です。それぞれ何を表しているのか覚えていますか。

「さしすせそ」が表しているものとは

「さ」は砂糖、「し」は塩、「す」とはそのまま酢のことを表します。また、「せ」とは醤油のことです。醤油は昔は「せいゆ」と表記しており、その名残で「せ」となっています。「そ」は味噌のことを表します。

それぞれの料理をする際の効果は……

・砂糖は「ショ糖」という成分でできており、甘味を付けたり素材を柔らかくしたりする他、ジャムのように大量に入れることで腐りにくくする効果があります。

・塩には少量入れると甘味を引き立てる効果や素材の水分を引き出す効果があります。

・酢には香りによって食欲を増進させたり、臭みやヌメリをとったり野菜のアクを取ったりする効果があります。

・醤油は料理に塩気をつける他、香りをつけたり旨味を深めたりする効果があります。濃口や薄口、溜(たまり)と醤油原料の配合によっていくつもの種類があり、万能の調味料ともいわれています。

・味噌も醤油と同じように風味を足して食欲を刺激する作用の他、肉や魚の臭みを取って食べやすくする効果もあります。その原料によって味わいが違うのも醤油と同じ特徴です。

なぜ「さしすせそ」はこの順番なの?

砂糖等の甘味は材料にしみ込みにくいことと、他の調味料を加えると甘味が付かないことから一番最初に入れます。塩は浸透圧が高く、素材の水分を引き出して引き締めます。そのため、塩は砂糖より後に入れないと材料に味が染みこまなくなってしまうのです。

酢より後の調味料は、基本的には味付けだけでなく風味付けの目的があります。酸味は火にかけると飛んでしまうので、酸味を残したい場合は何度かに分けて入れるとよいでしょう。

また、醤油や味噌も同じように火にかける時間が長くなると、風味がなくなってしまいます。できるだけ料理の仕上げの際に入れ、風味をしっかり残したい場合は数回に分けて入れる工夫をしましょう。

さしすせそ以外の調味料とのタイミングは?

料理によく使われる調味料は、上記の調味料だけでなく「酒」や「みりん」もありますね。これらの調味料を入れるタイミングも、実は順番を守るとよいといわれています。

酒を入れるタイミングは、一番最初です。砂糖よりも先に入れることで、アルコールによって食材の生臭さを取り除いたり、味の染みこみをよくする効果が発揮されるといわれています。

酒は「清酒」と「料理酒」があり、料理酒の大半には塩が添加してあります。そのため最初に入れることを目的とする場合は、塩分に注意して清酒を選ぶとよいでしょう。

本みりんにも12.5〜14.5%程のアルコールが含まれているので、先に入れるとアルコールの働きが活かされるといわれています。

本みりんにはアルコールの他に数種類の糖分が含まれており、アミノ酸も含まれているので砂糖のみで甘さを足した時よりもコクや旨味が増す調味料です。料理の最後に入れると料理をツヤよく仕上げることができるので、見た目も美しく仕上がります。

ここで注意しておきたいのが、本みりんとは別の「みりんタイプの調味料」や「みりん風調味料」です。みりんタイプの調味料は加塩してあり、糖質等の副原料を配合してお酒として扱われないようにしています。本みりんと同じようにアルコールによる調理効果が期待されますが、塩分に注意が必要です。

みりん風調味料はアルコール分を1%未満に抑えている調味料で、糖類や酸味料を混合したもの。アルコール分が入っていないため、調理の一番最後に入れて食材に照りを出すために使うとよいでしょう。

「さしすせそ」はあくまでも基本の順番なので、全ての料理でこのとおりでないと美味しくないというわけではありません。作る料理に合わせて上手に調味料を使い分けてみてくださいね。

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