宮城野原公園総合運動場(仙台市宮城野区)に新築、移転される国立病院機構仙台医療センターの開院が、当初目標の2017年1月から同年7月以降にずれ込 むことが8日、分かった。資材高騰などによる入札不調が原因。新病院を運航拠点とする県のドクターヘリも、16年度初めの導入予定が遅れる見通しだ。
センターによると、当初昨年10月に入札を予定していたが、参加業者がなく見送った。同11月、ことし3月に2度入札を行ったものの、いずれも予定価格に達する応札がなかった。
センターは「予想以上に建築市場が高騰している」と話し、東日本大震災後の需要増や円安に伴う資材高騰や労働者不足が響いたとみている。4度目の入札実施時期は未定で、少なくとも予定より半年以上は開院が遅れると見込む。
これに伴い、敷地内に整備するドクターヘリの格納庫や屋外ヘリポートの建設も遅れる見通し。16年度初めとしていたヘリの運航開始時期も修正を迫られるが、県は「17年度にずれ込むことのないよう調整を図りたい」と説明する。
新病院は地上11階、ベッド数660床の計画で、県が宮城野原公園一帯で整備を進める広域防災拠点の基幹施設。傷病者治療、災害派遣医療チーム(DMAT)の受け入れなどを担う。
防災拠点の運用開始は、JR貨物の仙台貨物ターミナル駅移転が完了する20年度以降。開院遅れが防災拠点の運用開始に与える影響について、県は「現時点ではない」と話す。