仙台市太白区あすと長町に移転する新しい仙台市立病院が完成した。建物の点検と検査が14、15両日に終了し、市に引き渡された。医療機器約6000点の搬入や外来対応のリハーサルなどの準備を進め、11月1日に開院する。
新病院は、本館が地上11階、地下1階の鉄筋コンクリート造り。延べ床面積は5万2286平方メートル。免震構造を採用し、災害時の医療拠点とするため屋上にヘリポートを設けた。
総工費は宿舎棟や厚生棟、約500台分の駐車場を含め175億7300万円。東日本大震災後の資材高騰などを受け、契約当初より17億6800万円増えた。
地域医療の拠点となる総合病院として23の診療科をそろえ、小児救急医療や周産期医療の充実などを看板医療に掲げる。病床は現在と同じ525床(一般病床467床)を用意した。
10月5日に開院記念式典を開く。患者や医療機器を現在地の若林区清水小路から移すため同30、31日の一般外来診療を休診するなど、移転日前後は診療や手術の一部制限を予定している。
遠藤一靖病院事業管理者は「救命救急医療や高度医療を重点的に担い、市民の生命と健康を守る役割をこれまで以上に果たす。円滑な移転開院に向けて万全を期したい」とコメントした。