新入社員は「デートよりも残業」 過去最多85%

 今年入社した新入社員の85%が、「デートよりも残業を優先する」と回答していることが28日、財団法人「日本生産性本部」の調査で分かった。昭和47年の調査開始以来、過去最高。同本部は「景気悪化の影響で仕事に真摯(しんし)に向き合わざるを得ない新入社員の姿が浮かびあがった」としている。
 調査は4月に入社した新入社員2663人を対象に実施。「デートの約束があったとき、残業を命じられたらどうしますか」という問いに、「仕事をする」と回答した人が85%いる一方、「断ってデートをする」との回答は14%にとどまり、仕事派とデート派の開きも過去最大になった。
 仕事派を男女別でみると、男性の82%に対し、女性は89%と7ポイントも上回り、女性の方が仕事に対してシビアな傾向がみられた。
 同本部によると、一般的に景気が悪いと、プライベートよりも仕事を優先する傾向があるという。実際、バブル期の平成3年入社組の仕事派は過去最低の62%で、以降は増加傾向となっている。
 仕事派が増えている理由について同本部は「携帯電話の普及で予定のキャンセルがしやすくなるなど環境の変化も大きい。このデータだけで仕事人間が増えているとはいえないだろう」と話している。
 一方、「第一志望の企業に入れた」と答えた人は55%で、昨年に比べ7ポイント減少した。それでも、「(入社から数年後に)第二新卒として転職を考えているか」という問いには84%が「いいえ」と答えており、ここ数年の厳しい就職状況を反映した結果となった。

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