（ブルームバーグ）： 米国とカナダ、香港が横浜港で停泊中のクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客を帰国させる。厚生労働省の16日の発表によると、同号で実施中の新型コロナウイルス検査で新たに70人の陽性が確認され、感染者数は355人に増えた。また、ＮＨＫは同日夜、新たに東京都で５人、愛知県で１人の新たな感染が確認されたと報じた。
中国湖北省の衛生健康委員会は17日、新型コロナウイルス感染症例が16日に1933件増加したと発表した。1843件だった15日から増加数が拡大した。同省の死者は16日に100人増え、中国の死者は少なくとも計1765人に達した。
米国務省は「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客を帰国させるため、チャーター機２機を用意した。ただ、感染者40人余りは日本の病院にとどまる見込み。カナダ、香港政府も同号の乗客を帰国させるために飛行機をチャーターする方針を明らかにした。
日本政府は16日、新型コロナウイルス感染症対策本部を開き、専用外来を備えた医療機関を現行の700カ所以上から800カ所に拡大することを目指し、整備することを決めた。引き続き開かれた感染症の専門家会議では、重症化を防ぐための適切なタイミングでの受診を促す分かりやすい「目安」について議論した。重症化しやすい高齢者や基礎疾患のある人に対しては、より広範な基準を示す。
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湖北省武漢市の道路を走る救急車（15日）
台湾の衛生福利部（衛生省）疾病管制局は16日にテキストメッセージで声明を発表し、新型コロナウイルスの感染による初の死者が出たことを明らかにした。また新たに２件の感染症例が確認され、合計で20件となった。
また、フランスのビュザン保健相は15日、新型コロナウイルスに感染した80歳の中国人男性の観光客がパリで死亡したことを明らかにした。欧州で同ウイルス感染による死者が出たのはこれが初のケース。死亡した男性の娘（50）も感染が確認され、パリの病院に入院している。
同ウイルス感染者が乗船している可能性があるとして複数の国・地域で入港を拒否され、その後カンボジアの港に入ったクルーズ船、ウエステルダム号の乗客だった83歳の米国人女性が同ウイルスに感染していることが判明した。この女性らはカンボジアで下船した後、14日にマレーシアに移動していた。
女性は病院に隔離されているが、容体は安定しているという。また、女性の夫（85）は検査の結果、陰性と診断された。マレーシア保健省が明らかにした。ウエステルダム号には2200人余りの乗客・乗員が乗船していた。
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下船を前に体温の測定を受けるウエステルダム号の乗客（15日）
ＡＰ通信によると、エジプトの保健・人口省は14日の声明で、同国で初のウイルス感染症例が確認されたと発表した。同省報道官は感染者は「外国人」と説明しているが、声明は国籍などを明らかにしていない。アフリカ大陸で初めての感染症例となり、専門家やアフリカ諸国の指導者らは感染が拡大した場合、医療体制が整っていない途上国で大きな打撃を受ける可能性があると懸念を表明している。
原題：Hubei Has 1,933 New Cases; Evacuations to Begin: Virus Update（抜粋）
–取材協力：Pavel Alpeyev、Yinan Zhao、Shuping Niu、Iain Rogers、Michael Bellusci、Wout Vergauwen.
記事に関する記者への問い合わせ先：Washington Steve Geimann sgeimann@bloomberg.net;Beijing Dong Lyu dlyu3@bloomberg.net
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