新型ウイルスは2種類か、中国専門家が「暫定見解」

[上海 4日 ロイター] – 中国の研究者は4日、新型コロナウイルスについて、より進行性のあるものとそうでないものの2種類に分けられるとする暫定的な調査結果を発表した。

発表したのは北京大学生命科学学院と、中国科学院・上海パスツール研究所の専門家ら。ただし、調査結果は限られたデータに基づいたもので、ウイルスの変異・進化をより良く理解するには、より幅広いデータによる追跡調査が必要だとも注意喚起した。

暫定調査によると、分析した事例のうち、湖北省武漢での感染拡大に結びついた、より進行性のあるウイルスが関連したものは70%で、残りの30%は、そうでないウイルスに関連した事例だった。

相対的に進行性があるタイプのウイルスの蔓延は、1月初め以降は減ってきているという。

調査結果は4日付の中国科学院の雑誌に掲載された。今後、ゲノムデータ、疫学データ、患者の臨床記録のチャートを組み合わせた包括的な追加調査を直ちに行うべきだと強調している。

今回の調査に直接関与していない専門家らは、調査結果は興味深いが、こうした暫定的な調査をもとに結論を急ぐべきではないと釘を刺す。

英リーズ大学で感染と免疫を専門とするスティーブン・グリフィン教授は「病原性と感染力について、理想的には動物モデルを用いた直接的な比較、あるいは少なくとも大規模な疫学調査を実施しなければ、こうした調査結果を確認するのは難しい」と述べた。

一方、中国医学会・救急医療部門のトップは4日、新型ウイルスの潜伏期間の中央値は5―7日で、最長期間は14日だと述べた。中国政府系の医療機関が発表した潜伏期間の評価としては、これまでで最も決定的な評価になる。

中国では移動の中止や春節(旧正月)休暇の延長などの厳しい措置を受け、新型ウイルスの新たな感染件数が減少し始めているとされる。

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