【ワシントン=住井亨介】トランプ米大統領は29日、ホワイトハウスで記者会見し、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため国民に求めてきた行動の自粛要請について、4月30日まで延長すると明らかにした。経済活動の一部再開を目指し、4月12日までに制限緩和する方針を示してきたが、死者数が「2週間以内にピークを迎える可能性がある」として引き続き警戒を続ける。
トランプ政権は国家非常事態宣言に合わせて在宅勤務や集会を制限する指針を公表した。その後、経済の減速を危惧し、キリスト教の復活祭(4月12日)までに経済活動を再開させることを目指してきたが、これを撤回した形だ。記者会見で、トランプ氏は6月1日に手が届くころまでには感染拡大から回復に向かうとの見通しも示した。
一方、米政権のコロナウイルス対策チームのメンバーで、米国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は29日、CNNテレビの取材に対し、さまざまな仮定に基づくものだとしながらも、全米の死者数が「10万~20万人」に達する可能性があると言及。感染者数は数百万人になる恐れもあるとした。