新型コロナで学級閉鎖相次ぐ 「5類移行」後、最多更新の地域も

新型コロナウイルスの感染が全国的に拡大する中、既に小中高校の2学期が始まった地域で学級閉鎖が相次いでいる。2023年5月の「5類移行」後では、閉鎖した学級数が最多を更新した地域もある。自治体などは、発熱や倦怠(けんたい)感などがある場合は無理に登校しないよう呼びかけている。

 公益財団法人「日本学校保健会」の集計によると、8月31日時点で全国の小中高校と幼稚園、保育園のうち149クラス(学級)が閉鎖中だ。

 都道府県別では、長野31、秋田25、岩手12、福島12、青森11、新潟10の順に多い。夏休みの終了時期には地域差があり、2学期が早く始まった地域からの報告が多かったとみられる。

 長野県教育委員会によると、8月25日ごろに県内ほとんどの小中高校で2学期を迎えた。31学級の閉鎖は、新型コロナの感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同じ「5類感染症」に移行した5月8日以降では、最多の水準。児童・生徒の20%欠席を、学級閉鎖の目安としているという。

 県教委はこうした状況を受け、学校側に換気の実施や手洗いの指導徹底を求めつつ、児童・生徒に発熱などの症状がある場合には登校せず自宅療養するよう呼びかけている。マスクの着用については国の方針で個人の判断に委ねられており、担当者は「感染が増えているとはいえ、子どもたちに着用を求めることは難しい」と話す。

 東京都健康安全研究センターによると、8月31日時点で都内の小中高校で学級閉鎖はない。ただ、9月1日から新学期が始まる学校も多く、今後、学校での感染が増える可能性があると警戒する。

 担当者は、手洗いやうがいだけでなく、マスク着用の必要性も指摘する。「マスクは個人の判断に委ねられているとはいえ、感染防止には有効であるため、感染状況を踏まえて着用してほしい。特に、何らかの症状がある場合には感染を広めないためにも着けてほしい」と話している。【原田啓之】

タイトルとURLをコピーしました