【モスクワ時事】旧ソ連構成国ベラルーシのルカシェンコ大統領が、新型コロナウイルスに関し「ウオッカを飲めば消毒できる」と楽観的発言を繰り返している。隣国ロシアが事実上の外出禁止をはじめ厳しい措置を取る中、ベラルーシは大統領の姿勢を反映して厳格な対策を取っていない。
ルカシェンコ氏はソ連崩壊直後から権力を握り「欧州最後の独裁者」とも呼ばれる。現地からの報道によれば、新型ウイルス対策で3月以降「週2、3回サウナに入ることが有効だ。中国人が言っていた」「肉体労働がいい」と独自の見解を披露してきている。
3月28日には観衆が見守る中でアイスホッケーを楽しみ「(対策には)スポーツが一番だ。特に氷上だ」と述べた。「(新型ウイルスに)ひざまずいて生きるより死んだ方がいい」とも語った。ベラルーシでは、欧州各国で相次ぎ行われなくなったプロサッカーのリーグも継続中だ。
4月に入っても「サワークリームのような脂質に富んだ食材」が対策に有効だと独自の見解を主張。各国で行われている外出規制は「戦時中でもこうした措置はなかった」と導入に否定的だ。
ルカシェンコ氏の発言の数々は、ロシアのメディアでも異様な言動として伝えられている。米ジョンズ・ホプキンス大学システム科学工学センター(CSSE)によると、ベラルーシの感染者は562人で、死者は8人。