沖縄県内で新型コロナウイルスのオミクロン株の変異株「BA・2.75」(通称・ケンタウロス)の感染者が初めて確認されたことが14日、分かった。複数の関係者が明らかにした。現在国内で主に流行しているオミクロン株の派生型「BA・5」よりさらに感染力が強いとの指摘もあり、今後の感染拡大が懸念される。(政経部・又吉俊充)
玉城デニー知事は15日に新型コロナ対策本部会議を開き、現在分かっているBA・2.75の特徴や対策を確認する。同日中に玉城知事が会見を開き、感染状況を発表する見込み。
関係者によると、感染が確認されたのは、北部保健所管内在住の20代男性。男性の渡航歴や、感染経路などは調査中という。
検体は、8月下旬から9月上旬にかけて採取された。68人の検体について変異株スクリーニング検査を実施、このうち1人がゲノム解析でBA・2.75だと判明した。この時の検体はBA・5の割合が90%超を占めていた。
県外では東京都や愛知、岐阜、石川、三重、栃木の各県などで確認されている。東京都は「ワクチン接種による中和抗体からの逃避への影響も示唆されている」と説明している。他系統と比較し、ワクチンの効果や重症化リスクなどについて不明な点が多い。
国立感染症研究所などによると、BA・2.75はインドで最初に報告され、英国や米国、ドイツ、カナダ、オーストラリアなどで見つかっている。今後の流行では、BA・2.75に置き換わる可能性があると指摘されている。
「ケンタウロス」は通称でインターネット上などで呼ばれており、世界保健機関(WHO)の正式な命名ではない。