新型コロナの影響「震災並み」 宮城県バス協会の事業損害9億7135万円

宮城県バス協会(仙台市)がまとめた新型コロナウイルス感染症の影響によるバス事業者の損害額は9億7135万円に上ることが11日、分かった。イベントの中止やツアー予約のキャンセルが8万5835件に達した。同協会は「東日本大震災並みの損害になる」とみて会員に対する支援策を模索する。
 協会は2~5日、全83社を対象にアンケートを実施し、74社が回答した。2月の損害は実績ベースで3万9430件、2億4476万円。3月は4万2442件で4億5309万円、4月以降は3963件で2億7350万円を見込む。
 各社とも高速バスの利用者減に加え、観光用貸し切りバスのキャンセル、休校措置に伴うスクールバスの運休が相次ぐ。経営課題を尋ねたところ、12社が「マスクや消毒液の入手が困難」と回答した。「運転資金のめどが立たない」と訴えたのは3社あった。
 協会によると、震災時の車両や施設の被害額は約13億円。被災企業はグループ化補助金を活用し、復興需要に伴う利用者増もあって再建にこぎ着けたという。
 今回は自粛傾向がいつまで続くか分からず、影響は長期化しそうだ。熊沢治夫専務理事は「マスクを確保し、感染予防対策を徹底したい。上部団体と連携して国へ支援を要望していく」と話した。

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