宮城県警は、新型コロナウイルスの感染拡大の混乱に乗じた特殊詐欺への注意を呼び掛けている。ウイルス感染を口実に、資産状況などを聞き出そうとする「アポ電(予兆電話)」とみられる電話を受けたとの相談が既に寄せられており、警戒を強めている。
県警によると、2月26日午前、仙台市泉区の80代無職女性方に「コロナウイルスに関する大切な説明がある。これから、ご自宅に伺います」などと電話があった。女性は訪問を断り、不審に思い県警に相談した。
特殊詐欺の手口として広がる恐れがあり、県警は携帯電話などに犯罪発生情報などを発信する「みやぎセキュリティメール」で注意を促した。
県警によると、詐欺グループはアポ電で預金残高や家族構成のほか、人柄や話しやすさなどを確かめ、詐欺の標的を選ぶ判断材料に利用するという。ある県警幹部は「情報はリスト化され、詐欺に遭うリスクは一気に高まる」と指摘する。
昨年3~4月には、同5月の令和への改元にかこつけた特殊詐欺の電話が県内で複数あり、岩沼市の高齢女性が現金100万円を詐取された。県警捜査2課は話題の言葉に便乗した詐欺の増加を警戒。幹部の一人は「不審な電話は相手にせず、警察に相談してほしい」と話す。