【北京=羽田野主】中国政府は湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる感染で、中国本土の死者数は8日午前0時(日本時間同1時)時点で3097人となり、前日から27人増えたと発表した。すべて湖北省の死者だった。感染者は44人増えて累計の感染者数は8万695人となった。現在の感染者は2万533人で、そのうち重症は5264人。
湖北省政府は8日、同日午前0時(日本時間同1時)時点で新たに感染者41人を確認したと発表した。
中国政府が発表する感染者数の増加ペースは減る傾向にあるものの、感染者が集中する湖北省武漢市では生活への不満が高まっている。
武漢市トップの王忠林・市共産党委員会書記は6日、地元幹部らが集まる席上で「中国共産党の習近平(シー・ジンピン)総書記と党に感謝する教育を展開すべきだ」と述べた。
地元紙の「長江日報」がこう伝えると、ネット上で「政府が市民を助けるのは当たり前ではないか」「貯金を取り崩して生活しているのに食料品はどんどん値上がりしている」などと批判する書き込みが相次いだ。
習指導部はネット規制を強めており、こうした書き込みをすぐに削除しているが消しきれない状況が続いた。
王氏は習指導部が2月に前の武漢市トップを更迭して党中央から派遣した。習氏の求心力を高めようとする発言がかえって武漢市民の反発を強める結果となっている。