新型肺炎、武漢で最大7万5800人感染か 香港大推計

中国の湖北省武漢市を中心に新型コロナウイルスによる肺炎が広がっている問題で、香港大の研究チームは、武漢市の感染者が最大7万5800人に上っている可能性があるとの推計値を1月31日付の英医学誌ランセットに発表した。感染に気付かないまま日本などに渡航した感染者も多数おり、中国の別の都市ではすでに局所的な流行が始まっていると指摘した。

 研究チームは、症例報告などから昨年12月以降の流行の広がりを予測。感染者1人が平均2~3人に感染させると仮定し、国内外の鉄道や自動車、航空機といった交通手段のデータをもとに感染がどう広がっているかを数学的なモデルを使って計算した。

 その結果、武漢市の感染者数は昨年12月1日~今年1月25日、6・4日ごとに倍増し、最大で7万5815人になったという。中国国家衛生健康委員会は今月1日時点で、中国内の感染者が約1万1800人になったと発表しており、かなりのずれがある。チームの研究者は「感染して症状が出るまでに時間差があるために治療開始が遅れたり、検査結果の確定に時間がかかったりして確認が追いついていない。公式発表だけでは流行が過小評価されてしまう可能性がある」と指摘した。

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